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IBEC 建築省エネ機構(一般財団法人 建築環境・省エネルギー機構)

奨励賞(改修部門)

生田の家

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建設地 神奈川県川崎市
設計者 浦木拓也((株)日本設計)/浦木建築設計事務所
施工者 (株)大作
延べ面積 123m2
地上階/地下階 3/0
構造 RC造+S造

講評

1979年(昭和54年)というプレハブ住宅創成期に建築された築約36年の軽量鉄骨構造の住宅の改修である。建築設計を行っている夫妻の自宅を、プレハブ住宅の改修という非常に制約の多い中で、省エネに寄与する最新の設備機器を導入するとともに、新設する北、西面の開口部は断熱性の高いものを採用し、天井、各外壁の断熱性の向上を図るという可能な限りのエネルギー消費の低減と居住性の向上を図った改修である。リフォームとか改修というと、内装のやり替え、水回りの更新など、比較的築年数の短い住宅の場合から、築年数の長い既存住宅の解体、新築に代替する大規模な改修まで様々なレベルの改修がある。本住宅は後者の改修にあたる。

大規模な改修は新築と比べると、様々な課題がある。
①新築時には十分な性能レベルの設計であっても、現在と比べると劣った水準である可能性があり、長い年月の間にその性能が劣化している可能性がある。
②工事内容に応じた建築確認等の現行法令に適合した手続きが必要である。新築時の確認申請が一般的な方法ではない場合、特に大変である。<

建設省は1973年(昭和48年)にプレハブ住宅をシステム毎に認定する「工業化住宅性能認定制度」を導入した。認定されたシステムであれば、住宅ごとの確認申請は簡単なもので済むという利点があった。このことが逆に構造部分の変更を伴う改修の確認申請を大変難しいものにしている。外壁は西面と北面の2面のみを新装し、過半以上の修繕や模様替にならないよう、建築基準法上、確認申請が不要となる範囲で改修を実施している。省エネルギーという点でやや物足りなさを感じるのはこのせいであろう。

現在の水準と比べて実質的に性能が確保されているという①の点について、構造安全性の観点から、新築時のハウスメーカーの耐震診断によって、新耐震基準の1.3倍以上の耐力があることを確認し、軽量鉄骨の躯体に錆びがないことを確認して、構造性能の水準が現在の基準に照らしても十分であることを確認している。新耐震基準以前に設計・建設された住宅でも十分な耐震性があったのは、プレハブ住宅であったことが幸いしている。

良好な住宅ストックを活用した今回の改修手法がさらに普及することを今後期待したい。

 

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