IBEC 建築省エネ機構(一般財団法人 建築環境・省エネルギー機構)

社団法人日本木造住宅産業協会会長賞(新築部門)

「階段の家」

建築主個人
設計者(株)y+Mdesignoffice
施工者(株)あおき
建設地島根県太田市
構造木造
階数2階建
延床面積142m2

講評

南面が開放された立地を生かした階段が、この住宅のサステナビリティを象徴している。屋根の大部分を、途中に踊り場を設けながら、南側に階段状に下ろし、蹴込みの部分は複層ガラスとしているが、寸法と形状を綿密に検討し、日照の四季の変化をうまくコントロールするとともに、快適な吹き抜け空間を実現している。冬は、高度の低い日射が直接入り、夏は、踏み板に反射された日射が間接光として入る。また、坪庭からロフトまでを一体の空間とし、空間の一体性と適切な通気にも活用し、季節感溢れる内部空間となっている。外部に目を向けると、南面した壁を無くし、代わりに造られた階段状の屋根が、周囲の環境に溶け込み、豊かな外部空間を実現している。また、階段状の屋根は、家族および近隣が日常的に利用する、縁側的な空間となっている。設備機器は、ローテクのものをできるだけ採用し、エネルギー消費量の低減にも成功している。建築家協会が作成した環境データシートを用いて、環境に関わる諸特性を表わしており、このシートからも環境特性に優れていることが伺える。この住宅で実現された階段状の屋根の特性が、狙い通りの効用を発揮し、さらには、居住者によって様々な活用が展開され、サステナブル住宅の優れた事例のひとつとして実績をかさねることを期待したい。


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