IBEC 建築省エネ機構(一般財団法人 建築環境・省エネルギー機構)

財団法人ベターリビング理事長賞(新築部門)

「釧路の家」

建築主個人
設計者(株)計画設計・インテグラ
施工者村井建設(株)
建設地北海道釧路市
構造木造
階数2階建
延床面積247m2

講評

省エネルギー基準Ⅰの北海道釧路市に住む老夫婦と娘の住まいである。住みながら建て替えたことから、敷地の東隅にL型プランの住まいが建てられている。深い凍結深度を活かして半地下から断面構成をスキップフロアとし、地中熱ヒートポンプの床暖房が施されている。在来工法であり、細かな間仕切、重心と剛心に加えての半階のズレ、最上階の暖炉など、建築、構造、室内環境それぞれに気になる点もある。しかし、化石エネルギー離れへ果敢に挑戦し、外壁、屋根、開口部に併せての熱容量を高めるRC基礎の周到な断熱に、ダイレクトゲインやリターンダクトなどを組み合わせ、欧米に普及している家庭用地中熱ヒートポンプを実現し、灯油消費王国北海道での先行事例としていることを高く評価したい。

また、この地中熱ヒートポンプ機器を灯油ストーブメーカーが製造していることにも興味を惹かれる。このメーカーはペレットストーブをも製品としている。木構造であること、既存家屋の廃材利用の暖炉が設けられていること、木製サッシが、その先進国北海道として当然の如く用いられていることなどを重ね合わせ考えると、電気ヒーターの補助熱源、ガス給湯はいささか残念である。無いもの強請りなのかもしれないが、バイオマスエネルギーをも巻き込んだ、もう一回り大きな再生可能エネルギーシステムを描けるように思え、建築家、施工者、メーカーが連携した、今後のさらなる発展を大いに期待したい。


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