IBEC 建築省エネ機構(一般財団法人 建築環境・省エネルギー機構)

国土交通大臣賞(大規模建築部門)

「糸満市庁舎」

所在地糸満市
構造RC造、一部プレストレスコンクリート造
規模建築面積:6,143.20m2 延床面積15,435m2 地上6階
建築主 糸満市
設計者 (株)日本設計
施工者 光建設(株)・金秀建設(株)・他11社JV、(株)呉屋組・(株)照屋土建・他4社JV (株)西崎興業,(株)並里土建,日新電機(株)・(株)神戸製鋼所・他3社JV (株)大松建設・南部電工(株)・他6社JV,㈲三清土建・(株)大松建設・他4社JV (株)徳元実業・沖縄ナショナル特機・桐和空調設備(株)・他4社JV

講評

 糸満市庁舎は、沖縄糸満市の掲げる新エネルギー政策ビジョンの最初の事業として、自然エネルギー利用・空調負荷低減・インフラ負荷抑制をテーマに計画・建設されたもので、沖縄の風土・慣習を前面にデザインした目を見張る建物である。

 南ファサードは全面にPC柱と太陽光発電モジュールを装着した水平ルーバーで巨大な日よけスクリーンを構築して、雨端(アマハジ)と呼ばれる半外部空間を作り沖縄の建築がもっていた伝統を引き継いでいる。発電量も約200kWとかなり本格的であり、年間使用電力量の12%を賄っている。また伝統的家屋の特徴である深い庇、風通しのよい間取り、外周部に設ける有孔コンクリート(花ブロック)など亜熱帯性気候の風土に合致した工夫を市庁舎にも現代風にアレンジして計画している。日射遮蔽が強すぎて眺望を損なったり、自然光導入の妨げになる危惧も事前には想定していたが、沖縄の自然は可視光域の日射量を強大なものにしており心配は払拭された。コア部には二つの光庭を配置し、奥まった部分にも自然採光を可能とし、さらにこれを自然通風の経路としても活用している。当地は冬であっても通風が好ましい状況があるので、これは効果的であろう。これらの自然エネルギーの利用により19%の一次エネルギーの削減があると試算している。

 シンプルだが明快なコンセプトが地域性豊かな造形を生み出しており高く評価するものである。


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