よくあるご質問

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Q9.計算結果(数値など)に関するお問い合わせ

一般

9.1(一般) マニュアルとか講習会テキストによりますと、様々なモデルで計算を行った結果が記載されていますが、これらの結果は実測結果との比較検討、もしくは他の熱負荷計算ソフトの比較検討は行っているのでしょうか?
マニュアル・講習会テキストのモデルについての実測結果との比較は行っていません。マニュアル・テキスト例題以外のところでは、実建物との比較を行っています。未だ十分とはいえませんが、2009年空衛学会大会のBEST関連論文の連報(その59,60)や2009年日本建築学会のBEST関連論文の連報(22報)があります。他のソフトとの比較についても、未だ十分とはいえませんが、同じく空衛学会大会のBEST関連論文の連報(その47,49)があります。 これとは別に国際基準のBESTESTという企画に則り、シミュレーションのテストを行っています。BESTESTの実施結果も同じく空衛学会大会で発表(連報のその61)します。BESTESTの結果は、2008年から既に3報発表済みです。
  • ・平林他:41510BEST連報第6報、2008年建築学会大会梗概、pp.1037-1038
  • ・平林他:OS-14BEST連報その26、2008年空衛学会大会論文、pp.1105-1108
  • ・平林他:41480BEST連報第15報、2009年建築学会大会梗概、pp.987-988
これらのBESTESTの結果、BESTの精度が確認されています。BESTESTだけでは限界がありますが、実測との比較は実測データそのものやその時の室の使われ方が正確に把握できない、プログラム間の比較は計算アルゴリズム上の避けられない数値の差がある、など難しい点もありますが、そういう検討を通してBESTの様々な側面からの改良点も見つかってきます。今後とも検討を続けたいと思っています。

建築

9.1(建築) 最大負荷計算で気象データが5つある理由は?

従来の最大負荷計算で使用していた気象データは、外気温,湿度,日射をそれぞれ独立して統計処理したため、実際には起こり得ない過剰な気象データでしたが、BESTで使用している設計用拡張アメダスデータは、時刻別気象の連続生起性と気象要素間の同時生起性を考慮した現実に発生しうる気象データになっています。その上で、ピーク負荷が現れることが予想される冷房と暖房合わせて5つの異なる気象条件について計算を行い、その中から最も大きい負荷を最大負荷としているためです。5種類の気象データの内容は、暖房用として、外気温と湿度の低い気象データセット、外気温が低くて日射の少ない気象データセットの2 種類、冷房用として、外気温とエンタルピーの高い気象データセット、外気温が高くて日射量の多い気象データセット、そして南面用に南面の日射量が多くて外気温の高い気象データセットの3 種類になります。

9.2(建築) 負荷計算結果に「室負荷」と「装置負荷」とが出力されていますが、両者の違いは何でしょうか?

「室負荷」は、窓や壁(床、天井を含む)、人体、照明、機器、隙間風等に起因する熱負荷の合計で、「装置負荷」は、その室負荷に取入れ外気負荷を加えたものです。

9.3(建築) 計算の結果、室内の絶対湿度が0.177g/g、相対湿度が1121%と異常な値が出力されました。それ以前は正常な値が出ていたのですが、隙間風をなくして計算したら上記の結果が出力されるようになりました。隙間風条件は必ず入力しないといけないのでしょうか?

異常に高い湿度になったのは、隙間風条件を無くしたことが原因です。隙間風がなく外気取り入れがないときにおいては、除湿装置がない限り人体からの潜熱により室内湿度は上昇していきます。その結果、非空調時や冬期の暖房運転時には湿度が高くなるという計算結果になります。したがって、隙間風がない空間があるとしても、少しの隙間風を入れておいた方がよろしいです。

9.4(建築) 国土交通省の建築設備設計基準に示された計算方法による熱負荷の値と、BESTでの計算結果の値が異なるようですが、なぜでしょうか?

国土交通省の建築設備設計基準に示された計算方法は定常熱負荷計算です。BESTでの計算方法は非定常熱負荷計算であるため、計算方法が根本的に異なります。また、計算法の他に気象データの違いや、BESTでは予冷熱時間を考慮した最大熱負荷計算が出来ることなどの違いがあります。

空調

9.1(空調) BESTの専門版を用いて個別分散空調システムの計算を実行した際、室内機に負荷がかかっていない時間帯においても室内機のファンは定格で電力を消費しています。
ご指摘のとおり、室内機のファンは負荷がかからなくても定格消費電力となる仕様になっています。これは、現状では空調時間内であれば負荷がかからなくても室内機ファンは稼動するのが一般的と考えたためですが、将来的には、種々の機種に対応できるように、室内機のバリエーションを増やしていきたいと考えております。
9.2(空調) 躯体蓄熱の計算をしたいのですが計算例等はないでしょうか?

「プログラムの活用」の「試算例」の部分に掲載していますのでご覧ください。
http://www.ibec.or.jp/best/program/shisan/

その他の設備

9.1(その他設備) 蓄熱式空調システムの実物件測定値と計算値の差は何%ぐらいですか?

槽内水温のモデルについては実験から求めたものですから誤差は少ないですが、実運転との比較という意味では、空調機側二方弁のサイズ選定の適不適、水及び空気側の設計温度或いは実温度差によって還り水温が変動しますから一概に何%等はいえません。また熱源側吸込み三方弁制御(定温蓄熱制御)の制御動作の設定不全があると大きな誤差を生じます。これらの設計条件と運転制御条件、水温条件が整合していれば誤差は僅かです。BESTプログラム全体としての精度としては、負荷計算から始まり、様々な要因が影響してきますので、現状で何%とはいえません。

9.2(その他設備)以前作成したコージェネレーションシステムの物件データを、BEST専門版(BEST1907)に取り込んで計算したところ、ガスエンジンの排温水回収量に非常に小さな値が計上されました。以前計算したときはそのような結果ではなかったのですが、なぜでしょうか。

BEST1907より放熱用熱交換器のモジュール(水-水熱交換器モジュール)が更新されたため、以前のバージョンで作成した物件データを取り込んだ場合は、放熱用熱交換器の熱源制御の設定を変更する必要があります。以下の手順に沿って変更してください。
1) 放熱テンプレートの中にある放熱用熱交換器の熱源制御モジュールの入力画面を開きます。
2) 放熱用熱交換器の熱源制御モジュールの入力画面で、「OPE1/夏期」、「OPE2/冬期」、「OPE3/中間期」の各期間の運用モードをすべて「2_暖房」に変更します(このとき「この冷暖房期間を使用する」にチェックが入っていることを確認してください)。
3) 「OK」をクリックして熱源制御モジュールの入力画面を閉じます。


 

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