よくあるご質問

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Q8.操作方法(マニュアルなど)に関するお問い合わせ

一般

8.1(一般) 入力に要する時間は、どの程度ですか?
建物やシステムの煩雑さによって大きく異なりますが、2~7日程度ではないでしょうか。入力経験の有り無しによっても大きく異なると思います。デフォルト値を多用するか殆どデフォルト値は使わないかによっても異なります。省エネ計画書作成支援ツールの入力は、入力項目が整っていれば30分ほどで出来るでしょう。
8.2(一般) 複数の省エネアイテムが重なって効果を出すような事象を検討するときに、どのアイテムが最も効果があったのかを知る方法は、BESTには備わっていると考えてよろしいのでしょうか?
ユーザーが各ケースを想定し、ケースごとにBESTを実行して結果を比較すれば目的は達成できると思いますが、系統的にそのような検討を一気に実行する機能は現在のところ備わっていません。
8.3(一般) Javaのバージョンを調べるには、どこを見れば分かるのでしょうか?
Javaのバージョンの確認は、「コントロールパネル」から「プログラムの追加と削除」に入り、現在インストールされているプログラムから探します。その中に「Java(TM)****」のようなものがありますので、これを確認されるといいでしょう。
8.4(一般) プログラムのアンイストールの方法を教えて下さい。
残念ながらアンインストール機能は設けておりません。インストールしたフォルダ(デフォルトインストールの場合はCドライブのBESTフォルダ)を削除し、デスクトップやスタートメニューに作成されたショートカットのアイコンを削除下さい。
現在(2009年11月)、アンインストールの機能を準備中です。また、BESTのインストール先をCドライブから共有フォルダーに変更の予定です。
8.5(一般) 建物の物件概要(延べ床面積など)を入力する必要はないのでしょうか?
建築、空調、その他設備に共通して入力すべき物件データ(延べ床面積など)は特にありません。
省エネ計画書作成支援ツールでは延べ床面積の入力が必要となります。
8.6(一般) BESTでは、海外の標準年気象データを用いた計算ができると伺っていますが、どういう手順で行えばよろしいのでしょうか?
「共通」タブにある「気象」の設定において、EPWフォーマットの気象データを選択することにより可能となります。気象データのタイプに「標準年データ」を、気象データ名称に「EPW」を選択し、EPWファイル名に使用するEPWファイルを設定して下さい。EPWファイルは、EnergyPlusのHPから無償でダウンロードできます。
アドレスは、http://apps1.eere.energy.gov/buildings/energyplus/cfm/Weather_data.cfmです。
北アメリカなどは全地点ともEPWが外に表示されていますのでそのまま利用し、ヨーロッパなどはZIPを開くとその中に.epwが含まれていますので、それを利用して下さい。EPWデータは気象データの不備(欠測データなど)も時々見られ、全地点とも計算可能という訳ではありませんが、世界のかなりの地点の計算が可能です。緯度経度の入力の必要もありません。ただし、サマータイムを無視した計算となっています。
8.7(一般) 住宅の計算には対応していると考えてよろしいのですか?
住宅の計算も可能です。多数室計算(室と室の相互熱影響を入れた計算であり、住宅全体をひとまとめに解いているという様なものです)が可能ですし、住宅特有の空調運転が朝昼晩と断続的な間々欠運転にも対応しています。空調としてクーラーを入れて計算するといいと思います。是非住宅計算に使ってみて下さい。
8.8(一般) 快適性評価は可能でしょうか?
作用温度、PMVなどの評価ができるようになっております。ご利用下さい。
8.9(一般) 計算時間隔はどこまで短くできるのですか?また、一般にはどのように設定すればいいのですか?
計算時間間隔ΔTは1分まで短くできます。計算の中で最も短く設定する計算時間隔を「最小計算時間隔」といいます。空調と連成した計算の時間帯は「最小時間間隔」とします。その間は一定値です。建築単独計算の時は「時刻変動スケジュール」で、設定して下さい。その時の設定方法は、予冷や予熱時間帯で短く、場合によっては昼休みなどの変化が多い時間帯も短く設定してもよいと思います。空調と連成した時間帯にΔTを変化させることはできません。現状では一定値として下さい。
「空調と連成」とは、空調装置が動いている時間帯に空調機の能力や制御法に応じて建物側が影響を受け、相互に影響し合うことを連成と言っています。ですから空調と連成した時間帯とは空調の時間帯と同じことになります。「建築単独計算」とは、具体的な空調機は定めずに、空調の時間帯は温湿度が設定値に保たれていると仮定して計算するものであり、非空調時(自然室温)のみの計算という訳ではありません。建物側の検討においては、建築単独計算で十分な評価検討ができます。
8.10(一般) 任意の地点の拡張アメダス気象データを使うときはどうすればいいのですか?DVDは毎回利用することになるのですか?
東京2006年1分値データは標準としていつでも読める状態になっていますが、それ以外の拡張アメダス気象データは「拡張アメダス気象データ1981-2000、日本建築学会編、気象データシステムから有料販売」の本の付録のDVDを必要とします。まずは、「共通」タブにある「気象」の設定において、気象データタイプの選択として「標準年データ」「拡張アメダス60分値」または「実在年データ」「拡張アメダス60分値」のいずれかを選んで下さい。「実在年データ」を選択したときには、気象データ入力の欄の年のところにプルダウンメニューから1981~2000年の中から1年を選んで下さい。「標準年データ」のとき、年の選択は不要です。計算する地点については、地点番号を直接入力するか地名を入力するかどちらかです。地点番号は「BEST-P 建築操作マニュアル 2009年6月」の7.附録A気象データの地点一覧表に掲載されています。地名は地域ブロック、県、地点と順に絞り込んで選定下さい。DVDを挿入したドライブ番号をプルダウンメニューから選択下さい。あとは、「了解ボタン」を押せば、ご希望の気象データ1年分が気象フォルダ内に取り込まれます。
一度読み込むとBESTフォルダを消さない限り気象データは残されますので、賢いやり方としては、よく使いそうな数十の気象分(例えば標準年20地点、特定地点の20年分など)を予め簡単なケースで計算をしておけば、その後はDVDがなくても必要な気象を抽出して計算が可能になります。計算実行の最初に1年分の気象データを読み込むようになっています。プログラムのバージョンアップなどを行うと、再度DVDが必要になります。

建築

8.1(建築) 壁体構成の入力画面で、データベースにない材料を入力することはできますか?
現在はできませんが、BESTのデータベースにない材料の熱物性値(熱伝導率、比熱、密度など)をユーザーデータベースとして登録する機能も開発視野に入れています。お急ぎの時は、ユーザーがご自分で壁体物性値のデータベースであるXMLファイルを開いてデータを追加すればすぐに利用可能です。XML編集に便利なフリーのソフト(XML Notepad)もあります。
8.2(建築) 窓回りの新システムとしてエアフローウィンドウは計算できるそうですが、現実にはPushPullとか単にPullだけのシステムの方がエアフローウィンドウよりも採用例がはるかに多いので、その点も考慮願いたいのですが。
わかりました。計画に入れるようにします。PushPullとかPullの方式は窓システムとしては簡易ですが、計算上は空気の流れを厳密に解かなければならずエアフローウィンドウよりはるかに大変であり、かつCFDの導入はまだ当分先ですのですぐには対応できません。まずは、簡易な方法でPushuPullに対応していくことを検討します。
8.3(建築) 「ゾーン」、「室」、「室グループ」をコピーして新しい 「ゾーン」、「室」、「室グループ」を作成するには、どうすればいいのでしょうか?
例えば、「ゾーンA」をコピーするには、まず新しい「ゾーンB」を作成しておき、「ゾーンA」のコピー先として「ゾーンB」を指定しておくと、ゾーン以下のもの全てが作成されることになります。「室」、「室グループ」も同じです。
8.4(建築) 建築データを入力する際に、「階数の設定」のようなことはできますでしょうか?例えば、4階建ての建物としての設定など、です。
複数階の建物の入力については、つぎの手順で建築データの構成を作って下さい。
1)例えば、事務所であれば、デフォルトのフォルダ名「基準階」を「事務所」などに変更します。
2)その中に「1F」、「2F」、「3F」、「4F」という室グループを作ります。又、同じ階に複数の室グループを作成したいときは、例えば「1F」を「1F南」、「1F北」などと分けることになります。
補足)サンプルデータのオフィス基準階8ゾーンの場合、フォルダ、室グループ、室の関係は次のようになっています。
「基準階」-「室グループ(北)」-「室(北)」-(以下4ゾーン)
      -「室グループ(南)」-「室(南)」-(以下4ゾーン)
これを、
「事務所」-「室グループ(基準階)」-「室(北)」-(以下4ゾーン)
                      -「室(南)」-(以下4ゾーン)
と変更しても、同じ結果が出ます。
8.5(建築) 階段空間などの吹き抜け空間の建築データ、設備データの設定方法について教えて下さい。
建築計算では、室内温湿度はゾーン内で一定と仮定しています。吹抜空間に対しても上下に分割せず1ゾーンとして取り扱うことをお勧めします。上下にゾーンを分割した場合、ゾーン相互の影響を適切に仮定することが難しいからです。設備データの設定方法は、吹抜空間ではないゾーンの場合と同じになります。
階段空間は、その空間の特徴や計算用途にもよりますが、計算対象ゾーンと扱わず、室温と外気温との中間温度などと仮定する方法がよく使われます。
8.6(建築) 入力できる室の数の上限はどの程度ですか?
室の数の上限はございません。注意する点は、出力が膨大になるので出力を限定させるといいかと思います。また出力が増えると、ファイルの書き込みのための時間が増大してくることに注意が必要です。
8.7(建築) 二部屋以上の計算の時、特に10~20室以上の計算の時、なかなか正解が出ません。こちらの注意不足も大きいのですが、どういう点に注意すればいいのでしょうか?
まず、多数室計算をするか単室計算の集合と考えるかが、大きな差異です。その中間もあります。多数室計算とは、5室なら5室がお互いに熱的に影響し合うことを考慮した計算です。単室計算とは5室の例なら、それぞれ5室はお互いに独立した計算になるということです。中間というのは、5室の内の3室は熱的に影響し合う計算(多数室計算)をし、他2室は独立した単室計算にするときです。単室計算といっても隣室温度を自室(計算しようとしている目的の部屋)と外気温による関係式で表現する(中間温度のように)ことが多く、隣室との熱の授受は行っていることになることにご注意下さい。隣室の影響のない完全に単室として解くことは,現場小屋のような一部屋建築の時意外には、殆ど考えられません。
以上のことを踏まえて頂いて、入力の手順を説明します。部屋数の多いときのデータの作成手順として、まず用語ですがインテリア、ペリメータのように壁のない区分けもあり得ますから、以下は部屋といわずにゾーンということにします。
  • (1)1ゾーンで答えを出す。その時、ゾーン間換気量はなし、内壁計算での隣接ゾーンの仮定は自室温と同じなどと仮定する。
  • (2)隣接ゾーンの影響を考慮しないケースとして、残りのゾーンを追加する。そして答えを出す。
  • (3)最後に隣接ゾーンの影響を考慮するケースに変更する。ゾーン間換気量のデータを追加し、内壁の隣接ゾーンの仮定条件を変更する。その時、前に説明したように無意味に隣室との熱的関係を増加させることは避ける。単室計算で十分なもの、多数室にする必要のあるグループをよく見極めることが大切です。厳密に言えば、どんな建物でも全ての部屋がお互い熱的に影響しているともみえますが、ある部屋の熱影響が隣室の隣室まで影響するものは少なく、その先に続く室までは影響しないとしても十分正しい値が出ます。ということは、適宜、隣室温度を中間温度とか自室温と同一にしていいのです。
 一挙にたくさんのゾーンのデータを作ると、なかなか答えが出ません。隣接ゾーンの影響を考慮する場合はさらに出ません。遠回りのように見えても、少しずつゾーンを作り足し答えを出して確認しながら進める方が、結局はスムーズです。
8.8(建築) BESTの入力にあたり計算条件に関わる値はどのように決めたら良いのでしょうか?例えば、助走計算日数、季節係数、点灯率・機器使用率・在席率などに関する参考文献はないでしょうか?

「プログラムの活用」の「マニュアル」の部分にまとめて記載していますのでご覧ください。
"http://www.ibec.or.jp/best/program/manual"

空調

8.1(空調) システム側で取り扱っている機器は、どこのメーカーのものか分かるようになっているのでしょうか?
機器の性能特性は、業界団体から標準的な機器のデータの提案を頂いています。そのため、特定メーカーの機器の性能特性ではありません。将来的には、個別の機器にも対応できるようにしていきたいと考えています。
8.2(空調) 空調計算の順序、接続作業をビジュアルで簡単にできるツールが欲しいです。また、階層的な入力ができるようにして欲しいです。
将来的には、ビジュアルなお絵かきソフトのような感覚で使えるツールを取り入れたいと思っています。現在、モジュール接続を楽にするために、空調機など各機器を構成するモジュールをひとまとめにしたテンプレート機能を導入しており計算順序や接続が大分簡素化されています。また階層的な入力については、現在基準階という単位で入力もできるようになっており、それなりには対応しています。
8.3(空調) モジュールの接続を間違えたかどうかチェックするときはどうすればいいのですか?
機器の性能特性は、入力されたモジュールの接続を一覧できるpdf出力があります。現在では、それをご覧になりチェックすることになります。更なる簡易化が必要と考えています。
8.4(空調) 基準階の室情報入力を終え、冷温水発生器のテンプレートを利用しようと思ったのですが、読み込み後、各室との接続方法が分かりません。
各室との接続は、ゾーンテンプレート内のモジュール「ゾーン システム接続用」というモジュールで接続先の室コードを指定します。マニュアル「BEST-P 空調設備(セントラル)操作マニュアル テンプレート機能を使用した建物全体の計算例操作説明書」の14,15頁をご参照下さい。
8.5(空調) 空調機の仕様を変更したいのですが、具体的にどのように行えばよろしいのでしょうか?
空調機の仕様変更は、空調機テンプレート内の各モジュール(コイルモジュール、加湿モジュールなど)の仕様を変更することにより行います。空調機テンプレートとその中のモジュールとの関係については、マニュアル「BEST-P 空調設備(セントラル)操作マニュアル テンプレート機能を使用した建物全体の計算例操作説明書」の1頁目をご参照下さい。モジュールの仕様の設定方法については、BESTの画面の右半分(ワークスペース)に登録されたモジュールを右クリックし、「プロパティ(スペック)」を選択することにより、仕様変更画面を表示させています。
また、ワークスペースに登録したテンプレートの内容を変更するには、以下のように行います。
  • ・ テンプレート内のモジュールの削除、追加を行う。
  • ・ テンプレート内のモジュール間の接続を変更する方法については、「BEST共通操作マニュアル」の33~35頁をご参照下さい。なお、モジュールの削除については、マニュアルに記載がありませんが、ワークスペースに登録されたモジュールを右クリックし、「削除」を選択することにより削除可能です。
8.6(空調) テンプレートを利用すれば入力が簡単になりますが、現実の建物においてはテンプレートにそぐわない部分が多々あり、多少の組み替えが必要ですがその組み替えを行う方法がよくわかりません。
ワークスペース(BESTの画面の右半分)に登録したテンプレートの内容を変更するには、以下のように行います。
  • ・ テンプレート内のモジュールの削除、追加を行う。
  • ・ テンプレート内のモジュール間の接続を変更する方法については、「BEST共通操作マニュアル」の33~35頁をご参照下さい。なお、モジュールの削除については、マニュアルに記載がありませんが、ワークスペースに登録されたモジュールを右クリックし、「削除」を選択することにより削除可能です。
8.7(空調) 階数を増やして建築データを設定した際の設備データとの連成方法について教えて下さい。
階数を増やした場合、設備(セントラル空調)との連成方法には以下の2通りがあります。
  • 1) 「空調機+室」のセットを階数分登録し、各階の空調機を熱源の間を冷温水媒体で接続する方法です。
    これは、実際の系統図に対応するように機器モジュール同士を接続するものです。
    空調機が複数ある場合は、熱源の前後に2次側への送りヘッダと還りヘッダとして
    「空調・換気設備」--->「ダクト 配管」のフォルダ内に格納されている
    「配管分岐(1→n)」モジュールと「配管集合(n→1)」モジュールを用いて冷温水媒体を接続します。nは空調機などの系統数のことです。
  • 2) 基準階が複数フロアある場合は、流量の拡大・縮小モジュールを用います。
    マスター情報ツリー(画面左側の窓)の「設備」タブのうち、「空調・換気設備」--->「ダクト 配管」のフォルダ内に格納されている「配管 質量流量縮小」モジュールを熱源(出口側)と基準階空調機(入口側)の間に挿入することによって、供給水温はそのままにして熱源から複数フロアに分岐して冷温水を基準階空調機に受け渡すことができます。
    同様に、「配管 質量流量拡大」モジュールを基準階空調機(出口側)と熱源(入口側)の間に挿入することによって、還り水温と流量を合計したものを熱源に受け渡すことができます。
    ただし、この場合空調機の消費電力等は1フロア分の値となりますので、データ解析の際にはフロア数倍する処置が必要になります。
8.8(空調) 空調システムの入力方法は、簡単なようでもあり、非常に複雑のようでもあります。このモジュール方式は、どういう長所欠点あるのでしょうか?又、将来の見通しはどうなのでしょうか?
慣れるまでは一見大変に見えますが、とても便利な方法です。とても新しい入力方法だと思って下さい。日本の設備の分野では使われていませんが、工学全般ではまた海外のプログラムでは使われています。現状はモジュールの接続の煩雑さがまだまだ残っていますが、接続方法の簡易化、不足しているモジュールの補充などを通して徐々に使いやすくなります。発展性は無限に近いといえる手法です。どんな新しいシステムでも表現できるという大きな長所があります。将来的には、ユーザーがモジュールを作り登録できるようになるとベストな状態です。
8.9(空調) BESTに採用されている熱源機器等の部分負荷特性は、どのようなデータが使われているのでしょうか?また、特定のメーカーの機種の特性データを使うことはできるのでしょうか?
現在は、機種毎に代表的な特性データが入っています。これらの特性データは、日本冷凍空調工業会・日本産業機械工業会等の協力を得て、複数メーカーの特性データを基に作成されています。
また、現在は特定メーカーの機種毎の特性データは整備されていません。今後、特性を示すデータ構造を開示する予定ですので、ユーザー側で調査しての入力は可能になります。
8.10(空調) 機器のモデルチェンジや新製品など、機器特性の変更や更新はどのようにプログラムへ反映されるのでしょうか?
BESTコンソーシアム内の機器特性SWGで定期的にメンテナンスを進めていく予定です。具体的な反映方法やスケジュールは、今後、検討していきたいと思います。
8.11(空調) 当社固有の機器特性をBESTプログラムへ登録してもらうことは可能でしょうか?
BESTコンソーシアム内の機器特性SWGで機器特性に関しては検討していますので、連絡をいただければ、検討いたします。
8.12(空調) 海外メーカーの機器特性を使うことはできますか?
現在は、代表的な特性データのみ使用可能ですが、今後、特性を示すデータ構造を開示する予定ですので、ユーザー側で調査しての入力は可能になります。
8.13(空調) BESTでは1分間隔での細かな計算が可能と聞いていますが、冷凍機の立ち上がりや停止時の時間遅れ等の動的な特性は計算に反映されているのでしょうか?また、反映させることは可能ですか?
現在は、指摘いただいたような動的な特性までは考慮していません。
8.14(空調) ビル用マルチ空調を寒冷地で計算したいのですが、寒冷地仕様の機器特性は反映されますか?
現在は、寒冷地仕様としてEHPビル用マルチ(冷暖切替)、EHP店舗用(冷暖切替)、KHP(冷暖切替)に関して、代表的な機器特性が整備されていますので、この範囲であれば反映されます。
8.15(空調) BESTのシステム計算に際して必要なシーケンス接続に関して詳しい資料はないでしょうか?

「プログラムの活用」の「マニュアル」の部分にまとめて記載していますのでご覧ください。
"http://www.ibec.or.jp/best/program/manual"

その他の設備

8.1(その他設備) 太陽光発電システムの発電量計算において、太陽電池の種類が結晶系かアモルファスかなどで変換効率が異なると思いますが、計算結果はどのように変わるのでしょうか?
太陽電池はアレイ公称出力kWを入力して計算することとしており、変換効率は、この時点で考慮されていることになります。(変換効率の良い太陽電池であれば、一般的に設置面積は小さいですが、面積ではなく出力kWで入力するためその差は計算には反映されません)。なお太陽電池の計算では、いくつかの損失補正係数を入力することになっていますが、本計算では電池種類によって温度補正係数の値を選択できるようになっています。結晶系、アモルファス系によって代表的な数値を例示していますが、選択した太陽電池に合わせた係数を入力下さい。
8.2(その他設備) 衛生設備の計算で給水負荷パターンはどのようにして計算をしているのでしょうか?
学会論文等で発表されたものより、時刻別の使用頻度パターンを作成しデフォルト値を設定しています。あらかじめ設定された水使用パターンに、1回あたりの器具吐水量や人員などの入力数値が掛け合わされ、計算時間間隔別毎の給水負荷パターンが計算されます。
8.3(その他設備) 雨水集水量の計算において流出係数は降雨後の時間経過に応じて変化はさせているのでしょうか?
BESTでは流出係数は時間経過によらず、固定値として計算を行っています。
8.4(その他設備) コージェネレーションの発電機のバリエーションを教えてください。
発電機の種類としてはガスエンジン、ガスタービン、燃料電池(PAFC)が用意されており、代表的な機種の性能が入力済みのテンプレートも用意されていますし、自分で機器仕様を入力してシミュレーションすることもできます。燃料電池(PAFC)の発停時のエネルギー消費特性のモデル化が行われていないため、対処策として燃料電池は機器の発停が行えないようになっています。
8.5(その他設備) コージェネレーションの現在のバージョンBEST0909版ではどういった排熱利用機器が用意されていますか?
現在のバージョン(BEST0909版)では、排熱投入型吸収冷温水機、暖房用熱交換器、デシカント空調機が用意されています。これらの排熱利用機器は、自由に組み合わせることができます。ただし、現在のバージョンでは利用順序の変更はできません。排熱投入型吸収冷温水機の前に暖房熱交換機を設ける等の排熱利用順に制約があります。なお、熱の需要として多くが見込める給湯については、最重要課題として鋭意開発を進めております。
8.6(その他設備) 現在のバージョンのBEST0909版におけるコージェネレーションの適用範囲、制約を教えてください。

Q8.5(その他設備)にも書きましたが、現在のバージョンBEST0909版では排熱利用として給湯については連成計算モジュールが開発中のため、選択しても動作しません。また、排熱種類としては温水のみで蒸気は開発中のため選択できません。したがって、発電機から蒸気で排熱を取り出す機種については、シミュレーションが制約されます。

また、テンプレートの制約としては、排熱利用の用途がパラレルに接続されているシステムのテンプレートは用意しておりませんので、テンプレートを使用せずモジュール単位で接続する必要があります。排熱をシリーズ接続した場合においても、排熱の利用順序は当面制約されます。これは、現在のバージョンのBESTでは使用するモジュールによって計算順序が決められているためですので、どうしても利用順序を変更したい場合には、BESTの画面で計算順序を入れ替えていただければシミュレーション自体は可能です。

8.7(その他設備) BEMSで得られた冷温水や電力の需要量を用いてコージェネレーションシステムのシミュレーションが行えますか?
可能です。BEMSで得られたデータから入口温度、入口湿度、入口流量、消費電力などを計算時間間隔ごとに求め、BESTで読み込めるフォーマットのCSV形式のファイルにしていただければ、これらを境界条件としたシミュレーションが行えます。
8.8(その他設備) コージェネレーションと太陽熱集熱器を含むシステムのシミュレーションは可能ですか?
本システムについては現在鋭意開発中です。太陽熱集熱器や蓄熱槽、差温サーモなどのモジュールについてはほぼ開発が完了し、太陽熱システム単独では動作することを確認いたしました。コージェネレーションと一体となったシステムについては、現在動作テスト段階ですので、近日中に公開できると思います。
8.9(その他設備) コージェネレーションを電主熱従や熱主電従運転としてシミュレーションすることは可能ですか?
電主熱従や出力一定の運転制御については現在のバージョンBEST0909版でもシミュレーションすることが可能です。熱主電従については、おおまかな開発の方向性について検討が進んでいる段階です。時期は未定ですが、今後のバージョンアップで対応する予定です。
8.10(その他設備) 発電機や排熱利用機器が複数台数あるケースには対応しますか?
発電機は基本的に何台あってもシミュレーション可能なコントローラを整備しておりますので、現在のバージョンBEST0909版でもシミュレーションすることが可能です。排熱利用機器も例えば排熱投入型吸収冷温水機とデシカント空調機、給湯用熱交換器、暖房用熱交換器などで構成されるシステムのシミュレーションが可能ですが、現在のところ冷温水熱源の台数制御コントローラが2台までの制御しかサポートしていないので、同一用途の熱源については最大2台に限定されます。
8.11(その他設備) 空調熱源機の一部を排熱投入型に、一部をガス直焚きや電動の冷凍機とする組み合わせシステムには対応しますか?

Q8.10(その他設備)に記載しましたが、台数制御コントローラの制約から、同一用途の熱源については最大2台までとなっています。例えば、冷房熱源で排熱から排熱投入型吸収冷温水機を優先的に用い、不足分の冷水を2台の直焚き吸収冷温水機で補完するといった場合には、冷房熱源が合計3台になるので、現状のバージョンでのシミュレーションはできません。

台数の制限内であれば複数のエネルギー源の熱源との組み合わせたシミュレーションなどが行えます。

8.12(その他設備) コージェネレーションシステムの今後の開発予定を教えてください。
平成21年度内の開発目標は以下の通りです。
(1)給湯需要への対応
(2)コージェネレーションシステムと太陽熱システムの融合
(3)発電機、排熱利用機器テンプレートの拡充
8.13(その他設備) 蓄熱式空調システムとして、扱える蓄熱槽の種類には何がありますか? また、計算の最大の特徴はどういうところですか?

計算できる種類は、連結完全混合槽型/温度成層型水/氷蓄熱槽となります。温度成層型については、現在は単槽のみ計算可能です。
最大の特徴は、熱源、二次側、蓄熱槽の相互影響を考慮して、蓄熱槽内水温の計算を実施した上で、年間のエネルギー消費量が計算できるところです。

8.14(その他設備) 蓄熱式空調システムの場合の計算用途に関してですが、
(1)設計にも利用できますか?
(2)蓄熱割引、ピーカット割引など、蓄熱特有の料金メニューに対応した、ランニングコストの計算は可能ですか?

(1)様々なパラメータを変更して、エネルギー消費量の最小化を検討して最適な熱源、槽容量を求めるという意味では、設計にも利用できますが、初期の熱源や蓄熱槽の容量は最大負荷計算の結果を用いて別途設計してから、エネルギー解析する方が効率的です。

(2)出力されたエネルギー消費量データを元に計算することは可能と考えられますが、プログラム自体にそのような機能はありません。

8.15(その他設備) 「蓄熱槽と組み合わせる空調機器に関してですが、
(1)個別分散、中央式、氷蓄熱ユニットとも計算することは可能ですか?
(2)熱交換器を有する蓄熱システムの計算ができますか。できる場合に、熱交換器の一次側、二次側出入口温度制御はどのようになっていますか?

(1)個別分散は、まだ用意されていません。
(2)モジュールとしては、熱交換器プレート(水 水)が用意されていますので計算可能です。PID制御のモジュールを指定すれば、可能な範囲内では出口水温制御が働きます。

8.16(その他設備)「蓄熱槽の制御について、教えて下さい。
(1)蓄熱制御(蓄熱コントローラ)はどんなものが入っていますか?
(2)並列設置の場合、槽毎に冷蓄熱、温蓄熱と切り分けてシミュレーションする事は可能ですか?(暖房時にペリメータ:暖房、インテリア:冷房といった負荷に対応できる?)
(3)24時間空調の場合における蓄熱放熱同時に対応できますか?

(1)スケジュール的な簡易なものしか入っていません。基本的には満蓄制御です。追掛け運転の開   始は、始端槽の水温条件で設定可能です。定温蓄熱制御(吸込み三方弁制御)は入っています。
(2)現状はできません。
(3)可能です。

8.17(その他設備) 「蓄熱槽の入力内容について、
(1)入力は面倒なのでしょうか?
(2)季節により蓄熱量設定を変更できますか?中間期や冬季に満蓄を85%とかに設定しておくことは可能ですか?
(3)熱源機追従運転の設定(負荷○○MJ/h以上でONなど)はできますか?
(4)蓄熱・放熱時間の設定を期間毎に変更できますか?
(5)蓄熱槽数や槽容量は自由に入力できますか?
(6)季節により、蓄熱槽数・容量を変更することは可能ですか?

(1)非蓄システムからの追加入力項目はそれほど多くないため、特に蓄熱にしたからといって、入力が面倒になることはありません。

(2)現状は基本的には満蓄制御ですので、使った分を夜間に蓄熱するという意味では蓄熱量は変化しますが、目標蓄熱量を変化させることはできません。

(3)現状はできません。始端槽の水温による判別のみです。

(4)設定値の変更はできますが、年間一定の設定になります。季節ごとに変更する場合には、期間を分けて計算することになります。

(5)1槽ごとの指定はできません。全体の槽容量と分割数のみの設定になります。

(6)現状はできません。

8.18(その他設備) 蓄熱式空調システムの出力に関してですが、
(1)蓄熱槽効率や夜間移行率は出力されますか?
(2)槽内水温プロフィールは計算中に表示できますか?

(1)蓄熱槽効率は、ピーク負荷時の槽内温度プロフィールの計算結果の積分値と槽の有効体積×設計利用温度差により計算できます。夜間移行率は、夜間生産熱量が全生産熱量に占める割合で計算できます。将来、これらを出力する予定です。

(2)可能です。蓄熱槽のモジュール画面で、「グラフを表示する」にチェックを入れてください。

8.19(その他設備) 蓄熱槽の計算方法について、以下の事項を教えて下さい。
(1)温度成層型水蓄熱槽の槽内モデルは何モデルですか?アルキメデス数の同定はどのように行っていますか?
(2)二次側の温度設定や流量制御が、蓄熱槽内の挙動に影響を与えるような計算になっていますか?
(3)1次側、2次側とも定流量、変流量方式の計算ができますか?
(4)熱回収式(複槽式)の計算はできますか?
(5)蓄熱槽からの熱損失はどのように計算していますか?

(1)実用R値モデル(完全混合域+ピストンフロー域+温度拡散の組合せモデル)で、各時間ステップごとに完全混合域の温度と流入水温との温度差及び流入速度を用いてアルキメデス数を求めています。

(2)そのような計算になっています。

(3)2次側は可能です。1次側はできません。

(4)現状はできません。

(5)熱通過率(W/(㎡K))を設定して、その数値を元に計算されます。熱損失を計算しない設定も可能です。

(6)連結完全混合槽型では、適切な槽数と適切な連通管配置を実行すれば各槽内は完全混合で水温は均一という前提です。温度成層の場合も同様で槽への流入速や温度によって温度成層の状況は変化しますが、連通管上下位置の不適切により生じる死水域はないという前提です。

(7)切り替えは月日で指定できます。冷暖切り替えが連続日であれば、熱源で強制的に加熱、冷却します。間隔が空いていれば、その間は放熱と熱損失の成り行きで槽内水温は変化します。

Q8.20(その他設備) 蓄熱槽に関するモジュールの更新や追加について教えて下さい。
(1)登録されている機器の制御や蓄熱コントローラは随時更新されるのですか?
(2)氷蓄熱ユニットの制御コントローラは他にもあると思いますが、他の制御コントローラを登録する予定はありますか?

(1)、(2)そうして行くつもりです。将来的には、Javaの知識などがあるユーザが独自のモジュールを登録可能にする予定です。


 

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